2019年12月25日水曜日

【公開講演会レポート】SuperMobility™時代の自動運転と車産業~企業経営文脈における「CASE*」時代到来論への批判的議論~

2019年12月18日(水)立教大学池袋キャンパスに於いて、
立教大学OBであり、「間違いだらけの車選び」著者で有名なモータージャーナリスト、島下 泰久さんの公開講演会を拝聴しました。
立教大学講義室には、平日の夜ということもあり学生から社会人まで多くの方が聴講にきていました。
昨今メディアで見聞きする「自動車の自動運転の未来はバラ色なのか?」という疑問を呈する切り口で、前半は島下さんから「CASE*」時代の到来における自動車産業のこれからについて、後半は、弊社取締役ファンダーで立教大学大学院特任准教授の高柳と、島下さんとのディスカッションという流れで講演会は進みました。
CASE*とは、・Connected(コネクテッド)・Autonomous(自動運転)・Shared and Service(シェアリング)・Electrified(電動化)の、各単語の頭文字をとった総称。
ここ数年、自動車産業においての経営戦略として「CASE*」を掲げてる企業が増えています。また、交通手段、移動手段の変革をもたらす「MasS(Mobility as a Service)」というワードもよく耳にします。自動運転技術が進み、今よりもっと豊かでより素晴らしい未来が待っている!と期待をされている方も多いようです。果たしてそれが、私たち消費者にとって本当に素晴らしい未来なのでしょうか?
ここが今回の講演タイトルにもある、「批判的議論」というテーマに繋がっていたわけです。
「CASE*、一つ一つの技術はすでに存在しています。しかし、その技術ばかりが先行してしまい、すべてCASE*が解決します!というのでは意味がないんです。先日も大きな被害となってしまった台風など、自然災害時に電気自動車を所持し、そこに蓄えがあるのであれば、家庭用電気に活用されるべきだろうし、移動がもっとスマートになるならば住居(生活拠点)の在り方が見直されるだろう、そして買い物の概念が変わってくるであろう。そういう部分部分で、CASE*で示されるものを上手く活用すると、MaaSに繋がるだろう。。。というイメージまではあるが、正直MaaSとは 『○○のことを言う』と定義できるものが今はまだないんです」と島下さんは語られました。

島下さんは、「何が大事なのか?」と訴えます。まず実現したいものがあって、そのために技術、開発があるべきではないでしょうか。との問いがとても心に響きました。

消費者の声や本当に必要な場所や分野に、CASE*が当てはまるのか、という視点で物事を見ることがこれからの時代、より大事になっていくのかもしれません。

聴講された皆さまも、もっと島下さんとお話をされたい様子で、講演終了後、島下さんへのご質問が長く続きました。
素晴らしい講演をありがとうございました。
「間違いだらけの車選び」最新刊と

弊社取締役ファウンダー立教大学大学院特任准教授高柳と、モータージャーナリスト島下様

ウェブインパクト広報担当